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嫁を動かす

HOW TO WIN WIFE AND INFLUENCE PEOPLE

嫁が弁当を作るとキッチンスタジアムになる件

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明日は保育園のお弁当の日という、ものすごく迷惑な日である。普段は、給食を出してくれる保育園には感謝しているが、正直、カンベンしてほしい。

 

ワタクシが弁当を作るのがメンドクサイから迷惑なのではない。普段は決して料理をしない嫁が、気合を入れて弁当を作るから迷惑なのだ。


嫁は料理がヘタなので、弁当を作るのに3時間以上は必ずかかってしまう。なので、朝4時くらいには起きて弁当を作り始めなきゃイケナイ。朝からうるさくて仕方ない。

 

そして、油が苦手な嫁は揚げ物が作れない。弁当にカラアゲなどをオーダーされた場合は、ワタクシが前日に揚げておかなければならない。

 

続いて、衛生面の問題。嫁は魚を生焼けで出して、ワタクシにゲロを吐かせる事故などを頻繁に起こして、料理の担当を外されたという前科者である。

 

弁当に間違って足の早い食材などを入れてしまう可能性が大なので、調理方法などをよくチェックしておかないと心配で仕方ない。シャケなんかも前日にワタクシがちゃんと焼いておいてあげなければ、不慮の事故が起こる危険がある。


さらに、仕入れの問題もある。嫁は、冷蔵庫にあるものでおかずを作るという能力が欠如しているため、メニューを考えてお弁当専用の食材を買って来る。

 

材料をすべて新しく買うため購入金額が高くなり、量が多くてロスを出すという悲惨なことに。材料費を考えたら売っている弁当を買ってきて、弁当箱に詰め替えた方が明らかに家計にやさしい。

 

最後に後片付けの問題。嫁は、弁当作りに必死になってしまい皿洗いや後片付けといった所まで気が回らない。嫁が格闘したキッチンスタジアムは、調理器具などが散乱して戦場となってしまう。基本的に、自分の水筒以外の洗い物はしないため、この後始末をすべてワタクシがやるハメになる。

 

ワタクシは、もう疲れるだけなので本当に弁当の日だけはカンベンなのだ。ひたすらこの日が来ないことを願いながら、D・カーネギー先生に救いを求め、名著「人を動かす」を手に取った。

 

嫁を説得する十二原則②

 

誤りを指摘しない

 

自分の考えることが五十五パーセントまで正しい人は、ウォール街に出かけて、一日に百万ドルをもうけることができる。五十五パーセントに正しい自信すらない人間に、他人のまちがいを指摘する資格が、はたしてあるだろうか。

 

「人を動かす」167ページより引用

 

ワタクシはこの一節を読んだ時、手斧の柄の部分で頭をガンガン殴られたかのような衝撃に襲われた。薄れ行く意識の中で、毎日、カーチャンが作ってくれた弁当を思い出した。


カーチャンは、共働きで忙しかったにも関わらず、中学、高校と欠かさず毎日、弁当を作ってくれた。いつも決まって、7割が白ご飯であとの3割は肉とタマネギを醤油で炒めただけのおかずだった。

 

だが、肉汁がご飯に染みて絶妙な旨味を醸し出し、ワタクシは喜んで食べていた。たまに卵焼きが入っていることがあり、その日はとても嬉しかった。

 

遠足の日なんかは、特別におにぎりが入っていて前日におにぎりの具はタラコがいい!とオーダーしたものだった。


回想を終えて意識を取り戻すと、娘が弁当にソーセージを入れてくれと嫁におねだりしていた。

 

ワタクシは、自分のマヌケさを理解した。

 

弁当は空腹を満たすためでも、義務で作るものでもない。母と子がコミュニケーションを取り、絆を深めるための大切なイベントなのだ。 


ワタクシは、料理の鉄人の側で必死に手伝う調理補助スタッフに徹することを決めた。

 

仕込みから調理、盛り付け、デザート作り、皿洗いまでなんでも行う弟子の方が、鉄人よりも料理の腕がいいということを、テレビを観ていたのになぜ気がつかなかったのだろうか。

 

嫁に弁当の御品書きを書いてもらい、夕飯の準備と一緒にほぼすべてのおかずの調理を済ませて、嫁は翌朝、ソーセージと卵焼きを焼いて、おにぎりを握って弁当箱に詰めればいいだけという状態を作りワタクシは気持ち良く眠りについた。


翌日

 

家に帰ってきた娘の保育園の連絡帳を読むと、娘は園に着くなり「もう、お弁当?」とセンセイに聞いていたと書かれていた。

 

やはり、嫁は100%正しかった。ワタクシはつまらない理屈を並べて、ただ、自分が楽をしたいだけだったのだ。

 

夕飯を囲みながら、娘が友達とみんなでお弁当を食べて、ソーセージを落としてお茶をこぼした悲しい事件を、楽しそうに話す様子をみて、ワタクシは決意を新たに家事に取り組むことを誓った。

 

弁当作りに疲れ切った嫁は夕飯を済ませると、風呂にも入らず爆睡を始めたが、ワタクシに彼女を責める資格などなかった。


D・カーネギー先生は、ソクラテスの残した有名な言葉を自戒と一緒に本に記している。

「わたしの知っていることはひとつだけだー自分が何も知っていないということを」

 

ソクラテス

「無知の知」と呼ばれるソクラテスの金言である。ソクラテスより間違っても賢くない自分が、他人の間違いを指摘することができるのか?と先生は自戒している。

 

D・カーネギー先生の教えを必死に勉強している最中のワタクシが、嫁に偉そうなことを言えるハズもない。

 

ワタクシは途中から恥ずかしくなってきて記事を消そうかと迷ったが、自戒を込めてそのまま残すことにした。

 

自分がまだ何も知っていないということを忘れないために。