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ブログを量産すると、どれくらい工数が短縮できるのかを習熟曲線を使って計算した件

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「ワイ、ブログ書くの早くなってね?」

と思ったことがあるブロガーさんは多いと思います。これは、いわゆる”慣れ”によって制作時間が短くなった現象であることは言うまでもありません。

 

ぢゃあ実際、どんくらい早くなっていくか計算してみよっか!というノリで考え出されたのが経営工学で「習熟曲線」や「慣熟曲線」「ラーニングカーブ」などと呼ばれる理論です。

 

今日はこの習熟曲線を使って、ブログを書く時間がどれくらい短縮されるのかを計算してみようと思います。 

 

習熟曲線とは?

元々、この理論は車や飛行機を作っている工場で、量産時の工数(製作時間)を計算するために考え出されたもので、1台目の車を作った時と2台目の車を作った時の工数を比較したら、2個目は1個目の8割くらいの時間でできるやん!といった経験知を数式化したものです。

 

例として1個作るのに100時間かかる製品があったとします。もし、2個目を作った時に80時間しかかからなければ、20%の工数逓減(だんだん減ること)があったとなり、この場合の習熟率は80%となります。

 

同じようにこの製品を4個作った時、習熟率が同じく80%であれば、80時間×0.8で64時間しかかからなくなります。これをグラフで表すと下記のようなグラフになります。

 

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このようにキレイなカーブが描けることから、これを習熟曲線やラーニングカーブと呼びます。正確には、まったく同じ物を作る時の話でり、あくまでも理論なので、実際にこの通りになるかは定かではないのですが、こんな曲線を描いて作業に慣れて、工数が逓減していくことになります。

 

計算方法

詳しい計算方法を教えてくれる論文があったので、興味のある方は、まずはこちらを参考にしてください。※PDFです。

 

http://www2.sozo.ac.jp/pdf/kiyou12/07%20Kataoka.pdf

 

カンタンに公式だけを説明すると、任意の生産量をx、x個目の工数をy(x)、習熟率をp、1個目の加工時間をcとすると、下記のような式が成り立ちます。

 

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-n(p)という係数は習熟率ごとに決まっているので、上の論文で数値の一覧を見てカンタンに計算機やエクセルなんかで計算できます。

 

例えば、最初の例の続きで1個目の工数が100時間で習熟率が80%だった場合、8個目の工数を求めようと思えば、

 

100時間(c) × 8個(x) ^ -0.3219(n(p):習熟率80%の係数) = 51.20299128時間(y(x))

 

4個目の時は64時間だったので、これに0.8を掛けると51.2時間になるので、式が正しいことがわかります。

 

エクセルでカンタンに計算する

 

なんのこっちゃ?という状態な方も多いと思うので、手を抜いてエクセルでカンタンに計算できるサイトがないかと探していたところ、エクセルの表をダウンロードできるサイトを発見したので、手を抜いてこれで具体的に計算してみましょう。

 

エクセルの表のダウンロード先↓ ※すぐにダウンロードになります。

http://www.barringer1.com/Papers_files/LearningCurveCalculator.xls

 

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最初から、1個目の工数が100時間で90%習熟曲線の20個目までのデータが入っています。黄色い部分に数値を入れれば、勝手に計算してくれるので便利です。

 

習熟率を80%にしたければ、逓減率のところに”20”と入力してください。個数を増やしたければ、20個目の4つのセルを選択した状態で、表の右下に現れる”+”マークを下に引っ張れば何個でも計算することができるますよ。

 

習熟率の決め方

計算方法はわかったけど、習熟率によって数値が全然変わってくるため、どのように率を設定すれば良いかを考えます。

 

1個目と2個目の工数を実際に計って計算するのが手っ取り早いのですが、ブログを書くのに掛かった時間を正確に記録している人も少ないと思います。そして、計っていたとしても、時間が一定しないことが一般的なので、通常は、95%~75%くらいの間で設定してしまいます。

 

その目安は、完全オートメーションの工場で100%、つまり、まったく慣れが起こらない世界。手作業が75%を占める製品で80%、つまり手彫りで「木彫りの熊」を作るような工場の世界といったイメージで捉えてもらえれば良いと思います。

 

ブログの場合だと、ど素人で95%、凡人で90%、天才で80%くらいの習熟率を設定してしまえば良いと思います。

 

試しに、はてな村ではアイドル的存在のアルファブロガー、フミコフミオ氏に敬意を表して、天才と設定し、ブログの制作時間を計算してみましょう。

 

フミコも知らない習熟曲線の世界

フミコ氏のブログを見てみると、現在までに716記事を執筆されているのがわかります。

716記事目を確認したところ、「30分近くかかってしまったよ!」と書かれています。

715記事目を確認したところ、「所要時間30分」と書かれています。ほとんど変わっていないですね。では1記事目はどうでしょうか?

オッパイについては書かれていますが、所要時間が書かれていません。わかりました。計算しましょう。

 

まずは、先ほどの式に数値を入れると、カンタンに計算することができます。

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716個目の工数が0.5hで習熟率を80%とすると、

 

716c ^ -0.3219 = 0.5

c = 4.149220417

 

1個目の工数が約4.15時間であったことがわかります。1記事目のオッパイの記事を4時間以上かけて綴られていたのですね。

 

では、先ほどのエクセルの表に1個目の工数4.15を入れてみると、どのように工数が逓減していったのかがわかります。

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※20個目以降はセルを引っ張って追加します。

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715個目、716個目ともに0.5時間となっているので、こんなところで正解ではないでしょうか。ほとんど、習熟し切ってしまって工数が落ちなくなっているのがよくわかります。

 

ちなみに今までブログ制作に掛かった時間が524.28時間、1記事あたり平均0.73時間なので、約44分で制作されたことがわかります。

 

次は、これをグラフにしてみましょう。

 

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グラフを見ると、10記事目で1記事目の約半分、100記事目くらいまでで、ドカッと工数が落ちたことがよくわかります。

 

ところが、100記事目で約1時間かかっていた工数を半分落とすのに、600記事以上も掛かっていることになります。

 

ちなみに、716記事目で30分かかっている工数が半分の15分になるのは、6000記事目くらいになりますね。

 

実際は、10分で書いた記事も10時間で書いた記事もあると思いますが、大まかなイメージ的には、こんな感じで工数が逓減していったと思われます。

 

凡人の場合はどうなるか?

天才フミコ氏では参考にならないという声が聞こえて来るような気がするので、ど素人と凡人の場合は、どのような曲線になるのか比較してみましょう。

 

1個目の記事を書くのに、フミコ氏と同じく4.15時間かかったとして、習熟率95%、90%の場合の曲線を引いてみます。

 

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ど素人と凡人が716記事を書いた時、それぞれ2.55時間、1.53時間も掛かる計算になります。

 

これをどのように認識するのかはそれぞれだと思いますが、一つ言えるのは、ど素人でも天才でも100記事目を書くあたりまでに、工数がドンと落ちていき、その後はなかなか落ちないようになるということがわかります。

 

つまり、ブログの制作時間を短縮したければ、100記事くらいまで必死に書いて慣れてしまえば良いということになります。100記事を超えたくらいから、ゆっくりペースの更新に切り替えるブロガーさんが多い気がするので、皆さん案外、正しいやり方をされているのかも知れませんね。

 

ただ、1記事目から100記事目までは最も工数が落ちる時期でもあるので、1記事目から短時間で書いていた場合は、100記事を書いたとしても、習熟の効果が十分に得られないことになります。

 

ブログの量産効果を計算する

では試しに、ワタクシが凡人として、これからどのくらい工数が短縮されていくのかを計算してみます。

 

ワタクシは前回までにお知らせを除いて、ふざけたブログを89記事書いており、前回の記事制作時間が2時間ほどでしたので、これを計算してみます。

 

89c ^ - 0.152 = 2

0.505466897c = 2

c = 3.956737843

(※習熟率90%の係数0.152)

 

1個目の工数が約3.96時間なので、エクセルの表に3.96を入力すると、これからどのくらいブログ制作に時間がかかるのかがわかります。

 

※この計算がメンドクサイ場合は、1個目の工数を適当に当たりをつけて入力し、自動で計算される89記事目が2時間になるように、数字を上下させてもOKです。

 

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今までに200時間以上をブログに費やしてきた計算結果となりましたが、案外当たっている気もします。

 

そして、このまま行けば716記事目で1記事書くのに1.46時間かかることがわかりました。なお、それまでに1229.09時間掛かることになります。もう、ブログを書く気がなくなってきました。

 

このように、工数を計算することはできましたが、問題はこれをどのようにブログ制作に役立てるのかです。

 

収益をメインに考えている方は、今まで稼いだ金額を総工数で割って時給を計算することもできますし、このまま続ければどの程度、量産効果が出るのかも予測を立てることができます。

 

また、実際の工数とあまりにもかけ離れている(工数が逓減していない)場合は、うまくブログ制作に習熟できていないことがわかります。

 

その他、計算結果を目標工数として、ブログの工数削減に励むのも良いでしょうし、ブログをやめてコンビニのアルバイトをする方が良いと結論を出すこともできます。

 

どのように工数を落とすのか?

では、実際に工場などで、どのように工数を落としているのか見ることで、ブログの制作時間を習熟曲線のように、逓減できるのか考えてみましょう。

 

まずは、どのような工場でも行われるのが作業標準化です。

 

作業標準とは、品質や効率が保たれるやり方を決めてしまうことです。決めたやり方を紙に書いて手順書にして、誰がやっても同じやり方で効率的に作業できるようにします。

 

ブログの制作で考えると、例えば、

  • ネタを瞑想しながら考える
  • タイピングは音声入力でする
  • 校正にワードの機能を使う

 

など、早くうまくいったやり方を決めて、必ずその手順で行うようにするということになります。やり方を決めてしまうことで、その作業にどんどん習熟していくことになるため、より効率的に工数が削減できることになります。

 

続いて、トヨタで有名になった改善になります。

 

これは文字通り、決めた手順をより効率的にするために改善を加えることです。工場では、治具(製造を効率的にするために作る道具)を作ったり、工程を見直したりすることで工数の削減を図ります。

 

先ほどの例で言えば、逆立ちやプールに潜った状態で瞑想を行いながら、ネタを考える方法を試したりすることなどが該当すると思います。

 

フミコ氏も執筆に使っていたガラケーが壊れてショックを受けられていたようですが、ガラケーでのタイピングで工数を削減し切っていたため、違うモノではかなり工数がアップしてしまうことを嘆いておられたと推察できます。

 

究極的には、完全オートメーション化が理想なので、ブログの執筆を外注したり、プログラムで機械的にブログを書くことなどが最高の工数削減になります。が、コストがアップしたり、品質が確保できなくなる危険があります。

 

工場ではクオリティーファーストがよく叫ばれるのですが、工数を削減することで品質を落としてしまうと取り返しのつかないこととなります。ブログで言うところのコンテンツファーストですね。

 

なのでクオリティーをできればアップさせながら、工数を削減できる方法を考える必要があります。ここではカンタンに書きましたが、工数削減は製造業の永遠のテーマであり、様々な手法や理論が研究されていますので、詳しい書籍などを読んでみるのもよいと思います。

 

最後は安全第一

以上のように習熟曲線の世界を紹介しました。

 

時間をかければ面白いブログになるのかどうかはわかりませんが、少なくとも校正や推敲に時間をかけることで、読みやすい文章になることは言えると思います。

 

そして、その時間は慣れることによってどんどん短縮されますので、うまく工夫してブログの制作時間を確保していただければと思います。

 

今までまったく触れませんでしたが、どんな工場でも工数を削減する前に「安全第一」が大前提となります。工数を落とすために、指が落ちてしまっていては何の意味もありません。

 

同じように、ブログが炎上して、精神が不安定になってしまうようなことがあっては何の意味もありません。安全が確保できないと判断すれば、休むことも大切です。

 

ブロガーの皆さまが安全にブログを続けられることをお祈りしております。

 

最後に、勝手に取り上げさせていただいたフミコフミオ氏に感謝申し上げるとともに、習熟曲線の観点から言えば、休む期間が長くなればなるほど、せっかく落ちた工数が元に戻っていくことをご連絡いたします。