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嫁を動かす

HOW TO WIN WIFE AND INFLUENCE PEOPLE

嫁の実家の部屋で元カレとの写真を発掘した件

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1848年1月24日、カリフォルニアの農夫が川の中にいくつかの光り輝く欠片を発見した。

 

これが高純度の金であることがわかると、このニュースがまたたく間に世界中に広がり、一攫千金を夢見て多くの人がカリフォルニアに押し寄せた。

 

世にいうゴールドラッシュである。


アンニョイな初夏。うだるような暑さの中、ワタクシは身体ひとつで新天地にやってきた採掘者と化している。家から歩いて1分の嫁の実家に来ているだけなのだが。

 

目的は、今月中に引っ越し予定の嫁の実家の片づけである。なぜなら、嫁の数年間放置された実家の部屋がゴミ溜めと化しており、足の踏み場もないからである。

 

嫁に片づけるように指示したのだが、自分の部屋なのに拒否したため、あえなくワタクシがやることになった。それもそのハズで、嫁の部屋には10年以上前に引っ越した時の、引っ越し用段ボールが片づけられることなく放置されている有様である。

 

ワタクシは、高く積まれた段ボールと洋服の山を前に、やる前から絶望に襲われていた。


思えば半年ほど前、金が出るとウワサのはてな村に、ペンを片手に乗り込んできて、ブログを始めた。なんでも、ブログを書けば書くほど大好きな金がザックザックと掘れるらしい。

 

しかし、1か月もしない内に、洗練された山師でもあるワタクシは、このウワサはガセだと確信した。ここには金どころか夢も希望も何も埋まっていなかった。下手をすれば荒くれ者の先輩ブロガーに埋められて、命を取られるキケンな所だった。

 

すでにこの村で取れる金は掘り尽されていて、残っていたのは新参者から採掘料を徴収する運営と、新参者に金の掘り方を教えて金を巻き上げる詐欺師と、ただの変わり者だけだった。


当初は、ワケもわからず必死に金を掘るかのようにブログを綴っていたのだが、最近ではもうあきらめて、気の合う同じ境遇の仲間と酒場で酒を飲むかのように、ブクマで冗談を飛ばしたりして暮らしている。

 

ただ、そんな仲間でも、コッソリと金を見つけたりしようものなら、後ろからオノで襲われるので決して気は許さないようにしている。 特に会津から来たという人には気を付けた方がいい。

 

いっそのこと、故郷のココログ村にでも帰ろうかと思うのだが、ワタクシ自身が変わり者であり、なんだかんだでこの村の水素水が合うようで、もうしばらくはここで暮らそうと思っている。


さて、鉱毒に汚染されている嫁の実家の部屋。掘ればクレジットカードの請求書やら20年前のカンサイ・ウォーカー、元カレとのラブラブの写真など、ゴミがこれでもかと出て来る。

 

嫁が誰と付き合っていようがいまいが、一切の興味がないため、なんの躊躇もなくゴミ袋に捨てるだけの作業である。幸いブックオフに持っていけば売れそうなマンガやらCDなんかも発掘したので、ジュース代くらいにはなると喜んでいた。

 

しかし、それは突然訪れた。見覚えのある銀行の封筒に入った諭吉が突如、書類の中から顔を出した。2016年の大阪で降って湧いたゴールドラッシュである。

 

ワタクシはエンジン全開で採掘を始めた。気分は1849年のカリフォルニア。時間が経つのも忘れて、全力でゴミを掘った。


結局この日、49ers(フォーティーナイナーズ)と化したワタクシが掘り出したのは、諭吉一人だけであり、ゴールドラッシュは一瞬で終焉を迎えた。歴史は繰り返すのである。

 

ワタクシは帰路に就きながら、遠い夕暮れを眺めて人生の岐路に立っていた。百年以上前、一攫千金を夢見た人々は、スコップ片手にどんなキモチで家路を急いだのだろうか。この掘り出した諭吉はパクっても良いのだろうか?

 

夕日が赤くワタクシの顔を染める中、ふと、尊敬するD・カーネギー先生が人生の岐路に立った時の話を思い出した。

 

悩みに対してストップ・ロスを設定しておく

 

先生は、アラサーの時に小説家を目指していた。2年間にも及ぶ執筆の末に、超大作を書き上げた先生は、意気揚々と出版社に原稿を持ち込んだ。結果は、散々なものでまったくセンスがないと相手にもされなかった。

 

抜け殻になった先生は、茫然自失で人生の岐路に立った。数週間思い悩んで出した結論は、執筆に費やした2年間を貴重な体験として掛値なしで清算してしまい、そこから新しく出直すというものだった。

 

再び、教育の仕事に戻った先生は、その余暇に伝記やノンフィクション作品を書いた。ワタクシが今、手にしている名著「人を動かす」という本もその中の一冊である。

※「道は開ける」146ページ参照


ワタクシも、そろそろ失敗を清算してしまう必要に迫られているようだ。ブラック企業に就職した失敗も、なんとかロスカットしたし、家事をしない嫁との結婚も成功と捉える脳内革命に成功した。

 

ゴールドラッシュに湧いた一日も、諭吉をコッソリとポッケにナイナイして、楽しかった一日としてキレイさっぱり清算してしまおう。

 

最近は、墓穴でも掘れば掘るほど、案外楽しいことにも気づかされた。囚人は、穴を掘って埋める作業を延々させられて発狂するが、ワタクシは囚人になってもモチベーションを保てる気がする。

 

嫁に捕らわれた囚人として生きていく内にも、超大作のブログが書ける可能性も広がっていくように思う。失敗は清算しても、その経験は活かせるのだ。


ゴールドラッシュに湧いたカリフォルニアにやって来た人々も、ほとんどは大金を得ることなく金が掘り尽されると損をして故郷に帰って行った。

 

結局、儲かったのは採掘者にスコップや食料品を売った人達であった。作業着のジーンズを売ったリーバイスは、未だにゴールドラッシュのように稼いでいる。

 

ワタクシも穴掘りはほどほどにして、メルカリ村に出向いてCDでも売ろうかと思う。思いがけず金脈に当たるには、採掘者にモノを売らなければならないのだから。