嫁を動かす

HOW TO WIN WIFE AND INFLUENCE PEOPLE

バファリンですら半分は愛情でできている件

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アンニョイな5月。新緑の季節を迎え、焼け野原となったこのブログにキュウリでも植えようかと、じっくりコメントを眺めている。

 

先日の記事に”アホ”や”バカ”、”薄っぺらい人生ですね”など、ありがたいことにたくさんのご意見を頂戴した。いつもはしないのだが、ワタクシなりの返事もしないと失礼にあたる気がしてきたので、少し返事を書いてみようかと思う。

 

ワタクシが嫁を動かせてないというご意見はさておき、親なら誰もが子どもを厳しく叱りつけてしまった経験があると思う。実はワタクシも数年前に一度だけ、娘氏を強く叱りつける大失敗をしてしまった。


嫁が料理を放棄して以来、我が家では夕飯作りはワタクシの担当なのだが、その日は嫁が出かけていて、娘氏とワタクシの二人で食卓を囲んでいた。そして、ご想像通り頑張って作った料理を、娘氏が食べてくれない。

 

最初はやさしくしていたが、娘氏はグズリまくったあげくに皿ごとゴハンを放り投げた。ワタクシは大きな声で娘氏を叱りつけてしまった。

 

冷静に考えれば、娘氏は嫁がいなくて寂しくて不満が募って、そんな行動に出てしまったのだと思う。ワタクシも娘氏の気持ちを思いやる余裕がなかった。


激しく反省したワタクシは、泣き疲れて眠る娘氏の横で、D・カーネギー先生の名著「人を動かす」を手に取った。

 

先生は、いつもは具体的な例を挙げて、こういう場合はこうしなさいと指導してくれるのだが、子どもを叱りつけた場合の対処については、まったく違ったやり方を教えてくれる。

 

そのやり方は、「とある雑誌に掲載された文を読みなさい。」というものだ。その文は、もちろん翻訳されて「人を動かす」に転載されている。結構長い上に日本語訳を全部引用すると、その解説をひたすら書かなきゃならなくなるので、ワタクシが超訳に挑戦してみる。

 

なので、まず英語の原文をお楽しみください。これぞ美文という感じです。

 

Father Forgets W. Livingston Larned

 

Listen, son: I am saying this as you lie asleep, one little paw crumpled under your cheek and the blond curls stickily wet on your damp forehead. I have stolen into your room alone. Just a few minutes ago, as I sat reading my paper in the library, a stifling wave of remorse swept over me. Guiltily, I came to your bedside. These are the things I was thinking, son: I had been cross to you. I scolded you as you were dressing for school because you gave your face merely a dab with a towel. I took you to task for not cleaning your shoes. I called out angrily when you threw some of your things on the floor. At breakfast I found fault, too. You spilled things. You gulped down your food. You put your elbows on the table. You spread butter too thick on your bread. And as you started off to play and I made for my train, you turned and waved a hand and called, "Goodbye, Daddy!" and I frowned, and said in reply, "Hold your shoulders back!" Then it began all over again in the late afternoon. As I came up the road I spied you, down on your knees, playing marbles. There were holes in your stockings. I humiliated you in front of your friends by marching you ahead of me to the house. Stockings were expensive--and if you had to buy them you would be more careful! Imagine that, son, from a father! Do you remember, later, when I was reading in the library, how you came in timidly, with a sort of hurt look in your eyes? When I glanced up over my paper, impatient at the interruption, you hesitated at the door. "What is it you want?" I snapped. You said nothing, but ran across in one tempestuous plunge, and threw your arms around my neck and kissed me, and your small arms tightened with an affection that God had set blooming in your heart and which even neglect could not wither. And then you were gone, pattering up the stairs. Well, son, it was shortly afterwards that my paper slid from my hands and a terrible sickening fear came over me. What has habit been doing to me? The habit of finding fault, of reprimanding--this was my reward to you for being a boy. It was not that I did not love you; it was that I expected too much of youth. I was measuring you by the yardstick of my own years. And there was so much that was good and fine and true in your character. The little heart of you was as big as the dawn itself over the wide hills. This was shown by your spontaneous impulse to rush in and kiss my good night. Nothing else matters tonight, son. I have come to your bedside in the darkness, and I have knelt there, ashamed! It is a feeble atonement; I know you would not understand these things if I told them to you during your waking hours. But tomorrow I will be a real daddy! I will chum with you, and suffer when you suffer, and laugh when you laugh. I will bite my tongue when impatient words come. I will keep saying as if it were a ritual: "He is nothing but a boy--a little boy!" I am afraid I have visualized you as a man. Yet as I see you now, son, crumpled and weary in your cot, I see that you are still a baby. Yesterday you were in your mother's arms, your head on her shoulder. I have asked too much, too much.

 

英語アレルギーの方用で以下がワタクシの超訳だが、情緒に欠けるので雰囲気を壊したくない方は、読まずに本屋で「人を動かす」を手に取って頂ければと思う。

 

ちょこちょこおかしいと思うけど、大きくは外していないハズ。ツッコミ不要でお願いします。

 


トーチャンは忘れる件

 

息子氏よ、聞いてくれ。君は今、ワイの横で眠っています。小さな手の上に頬を乗せて、汗ばんだおでこに髪の毛を引っつけながら。今しがたワイは、君の部屋にこっそり忍び込んで来ました。さっきまで書斎で新聞を読んでいたのですが、急に後悔してここにやってきたのです。

 

トーチャンは考えました。今まで君につらく当たってきてしまったなと。学校に行く支度をしている時に、顔をタオルで適当に拭いただけやろと叱ったり、靴を磨いてへんと叱ったり。物を床に放り投げた時は怒鳴ったりもしました。

 

今朝、朝メシを食べている時もやってしまいました。食べ物をこぼしたとか、よく噛んでへんとか、テーブルに肘をついたとか、パンにバターを塗りたくったと叱りましたね。

 

それから、ワイが出かける時に、遊びに行こうとしていた君は振り返って「トーチャン!いってらっしゃい!」とゆうてくれました。なのにワイはキレ気味で「シャッとせい!シャッと!」とゆうてしまいました。

 

夕方にも同じようなことがありました。ワイが家に帰って来た時に、君は家の前の地べたにひざをついて、ビー玉で遊んでいました。だから君の靴下には穴が開いてしまいましたね。ワイは君を家の中に追い立てて友達がいる前で恥をかかせました。「その靴下なんぼしたと思うてんねん!自分の金で買うたんやったら大事にするやろ!」ーなんてダメダメなトーチャンなんでしょう。

 

そのあと、夜になってワイが書斎で新聞を読んでいる時に、君は悲しそうな目でおどおどしながら部屋に入ってきましたね。ワイがメンドクサそうに顔を上げると、君はドアのところでなんだかモジモジしていました。「なんや?」とワイが聞くと、君は何も言わずにダッシュして来て、両腕で抱きついてチューをしてくれましたね。君のその小さな腕には神様がくれた決して枯れることのない愛がありました。そして、君はパタパタと足音を立てて二階へ行ってしまいましたね。

 

そんだらね、息子氏よ、トーチャンは突然めまいがしてもう新聞も持ってらんなくなって、ものすごい不安になりました。ワイはなんてことをしてたんやろか!と。君はまだ子どもやのに、叱ってばかりいる習慣に取りつかれていたのです。決して君のことを愛してないからやない。ワイは、幼い君に多くを求めすぎていたのです。大人の自分と同じ物差しで考えてしまっていたのです。

 

君には優しくて元気で正直なところがたくさんあります。まるで山の向こうから昇って来る夜明けの太陽のようです。さっき君が駆け寄って来てチューをしてくれた時に、そのことがハッキリわかりました。息子氏よ、これ以上大切なことは他にないのです。

 

ワイは暗闇の中、君のそばにやってきて、自分を恥じながらひざまずいています。これがせめてもの罪滅ぼしです。君には何をゆうているのか、わからないかも知れない。だけど、明日からはいいトーチャンになってみせる。君と仲良く遊んで一緒に泣いたり笑ったりする。小言を言いたくなったら舌を噛む。そして、「君はまだ小さい子どもや」と繰り返し自分に言い聞かせる。

 

ワイは、君を一人前の大人だと見なしていたようです。でも、こうしてベッドでスヤスヤ眠る君はまだ赤ちゃんのようです。昨日もカーチャンに抱っこされて肩に頭を預けていたね。トーチャンは多くを求めすぎていたのです。あまりにも多く。


 

この文は百年くらい前に、ラーンド・リビングストンさんという普通のトーチャンが書いたもの。ワタクシは泣きながらコレを読んで、娘氏を叱りつけないと固く誓った。

 

以来、たまに軽く娘氏のほっぺをツネったり、コラ!とか言ってしまうこともあるが、嫁のように発狂して怒鳴るようなことはまずなくなった。そして、自己嫌悪に陥ることもなく、毎日楽しく娘氏と遊んでいる。ここは天国か?

 

そんなカンタンにいくかよ!というツッコミもあると思うが、ダマされたと思って子どもの日だけでも、オシッコ漏らしても、道路に飛び出しても、怒鳴るのをガマンして子どもと遊んでみなはれ。

 

一日たっぷり遊んで満足気にスヤスヤ眠る息子氏や娘氏の顔を眺めた時に、きっと何かに気付くハズ。


それで、嫁を動かせって?そんなのはカンタンで、発狂した嫁は、お尻をひたすら腱鞘炎になるまで撫でまわしておけば問題ない。ご要望があれば「トーチャンは尻を撫でまわす件」という美文を書きます。

 

というワケでそこの奥さん、バファリンですら半分は愛情でできています。ほとんど愛情の塊のあなたならきっとできますよ。忘れないでください。